• 2007.09.12

    表参道通信その57 築地市場探訪

    表参道通信

    浅草もお台場も東京タワーも見ちゃったし、はとバスの観光コースもたいてい乗ったしなぁみたいな人を案内するには築地市場。朝御飯は抜きで、とにかく朝早く出かける。遅くとも朝8時には築地市場に到着したい。

     大江戸線築地市場駅の改札を出ると、他の観光客と一緒になる。結構多い。外国人も多い。観光客の波は籠を下げて又はクーラーボックスを肩にかけて駅に向かう人達と次々すれ違う。もう既に今日の仕入れが終わった飲食店関係の人達だろう。

     駅の階段を上りきって左に向かうとすぐに築地市場入り口。大型トラック、軽四、フォークリフト、ターレが行きかい、発泡スチロールの箱の山。雑然として、活気があって、寝ぼけてはいられない。急にしゃんとする。

     まずは、場内の食堂。魚がし横丁。ここで朝御飯。和食のかとう。黒むつの煮付定食、金目鯛の煮付定食、スズキの塩焼き定食など。お鮨屋も多いけど、有名店は行列。1時間は待つ。今回は比較的空いていた和食屋に。黒むつの煮付けは一匹丸ごと。鯛も鱸も大きな切り身。煮付の汁が美味しい。ビールも頼む。朝からビールは休日の醍醐味。

    定食が最低1200円くらいから。ちょっと高いのでは?と思う。壁に向かったカウンターのみ。丸い椅子。だみ声のおばちゃんがドンドンとお茶や、お皿を置いていく。市場の中なんだから、せめて1000円位で食べられたら割安感いっぱいだと思う。

     お鮨屋も、おまかせで3500円くらい。カウンターにぎゅうぎゅうづめで、肩寄せあって、市場がすぐそこで、ネタの運送費がかからんでこの値段か?と思う。

     でもやっぱりたまに築地に来たからには、カレーやトンカツやラーメンよりも、お鮨かお魚と思ってしまう。カレーやトンカツやラーメンや牛丼やモツ煮込みが美味しいと噂されるお店はたくさんあるけれど、月に一度位の頻度で築地に行くのでなければやっぱり魚。

     朝食が済んだら、気合を入れて場内市場へ。時間は午前9時。プロの方達の仕入れは終わり、半分店じまいの準備に入っている店もある。その位の時間が慣れない観光客には良いと、ものの本には書いてあった。

     母の旧姓が鈴木で、親戚には鈴木も多い。だから鱸は呼び捨てに出来ない雰囲気がある。だから我家では鱸はスズキ君。そうすると魚の王様、「腐っても鯛」の鯛は鯛君。海老はやっぱり海老ちゃん。と呼称する。

     市場に入って、鱸がバーンと並んでいる。「わー!スズキ君だ!」鯛がコロンコロンとそのお腹を並べている。「わー!鯛君だ!」海老が水の中で跳ねる。
    「わー!海老ちゃんだ!」わー!わー!言いながら、市場内をめぐるも途方も無く広く、きりが無い。魚はどれも大きく、切り身のパックなぞ無い。買っても食べきれそうにない。三枚におろしてくれと頼んでいいのやら悪いのやら怖くて聞けない。

     鮭のハラスを見つけた。長いのが10本も入っていて800円。安い。塩焼きにしてビールのつまみ。おにぎりにしても良い。手始めに買ってみる。意外と簡単に買えた。お店の人も意外に親切。勢い付いて、今度は鯛のお頭。なべに入りきらない大きな頭が200円。消費税入れて210円。安い!かぶと煮、かぶと焼き、お吸い物。

     鮪の解体もすごい。刺身のブロックも安いけど大きくて手が出ない。大きなカマが1000円。これも塩焼きにして、レモンを掛けて食べると美味しいんですよ。我家の魚焼器に入る大きさに切ってもらったら6個くらいのブロックになった。
    それにうに。利尻産バフンうにが一箱2000円。

     荷物も重くなってきたので、市場を出る。それでも全体の10分の1も見ていないだろう。暑くなってきたので、保冷バックを売っている店を探す。銀色の手提げ用の保冷バックや水色の四角い保冷バックは売っているけど、凍った保冷剤は見当たらなかった。今日みたいにそんなにお買い物気分でない時でも結局見ていると欲しくなって買ってしまうので、築地市場に来るときは保冷バックと保冷剤は必須。

     場外市場へ。観光客やお買い物の人ですごい混雑になっている。卵焼きを買う。前回は、テリー伊藤の実家の卵焼屋、「丸武」で買ったので、今回は「松露」へ。サービスで生卵2個付いた。

     午前10時。暑くなって疲れてきたので、お茶をするところを探す。偶然、【喫茶マコ】の看板。古い階段を登ると、なんとか商会やどこぞの会社の事務所が入った雑居ビル。奥に入ると喫茶店の入り口。入ってみるとかなりレトロな喫茶店。「暑い暑い。」と言いながら、アイスティーを頼む。かなり妙齢と思われるがこぎれいなおば様が運んでくるアイスティーは懐かしのコカコーラのコップに入っている。

     飲みながら、ガイドブックを見ると、築地場外市場最古の喫茶店「マコ」と紹介されている。探してもたどり着けない店、難易度3位にも入っている。築地市場に来たからには一度は行きたい店に偶然入ったみたいだ。冷房で英気を養って、駅に向かう。

     家について、お昼ご飯は鮭ハラスのおにぎりと、松露の卵焼き。

     そしてその夜は、鮪のカマ焼き、鯛のカブト焼、鯛のお吸い物、松露の卵焼き、そしてうにのお刺身、一箱。

     パワフルで、安くて、豪華で、一日楽しめる築地市場探訪を一度ぜひ!
    早起きと、保冷バック、保冷剤は必須。