• 2005.11.10

    表参道通信その53 ねらい目は「もぐもぐタイム」だ。旭山動物園

    表参道通信

     今、評判の北海道旭川市の旭山動物園に行ってきた。
    事前にインターネットのホームページをチェックすると「もぐもぐタイム」なるものがある。
    「うーむ!?動物が一番活発に動くのは餌を取る時。これだ!」と、思いプリントアウトする。ついでにアクセスもチェック。旭山動物園きっぷというのがある。JR北海道と提携して札幌からの往復特急列車と旭川駅から動物園前までの往復バス、それに動物園の入場券がセットになって大人1人5500円。
    ついでにバスの動物園前への到着時間ともぐもぐタイムを付け合せてチェック!よし!北極熊のもぐもぐタイムから攻めるぞ、と計画を練る。

    札幌から旭川までは特急列車で1時間20分。結構かかる。途中北海道らしい平原をバックに車内から写真撮影。

    旭川は霧雨の降るあいにくの天気。旭川駅からわき目もふらずバス停に直行する。旭川駅で降りた乗客のほとんどがバス停にそのまま直行している感じだ。バスは満員。動物園まで35分。結構遠い。

     旭山動物園前に付くと、動物園の入場券を買うために並んでいる人たちを尻目にすぐに入場。JR北海道の「旭山動物園きっぷ」の威力発揮だ。

    最初に、お約束の旭山動物園の看板前で記念撮影。右側手前から鳥舎「ととりの村」が始まる。順路よろしく、大半の人がそこに入っていく。その後に付いて入ろうとする主人の背中を捕まえて引っ張り出す。「だから北極熊のもぐもぐタイムなんだって。鳥は後。帰りに時間があったら!」

    とにかく動物園の真ん中くらいにある「ほっきょくぐま館」に行く。水槽の前に人だかり。伸び上がってみるが、何を待っているのか分からない。建物の内部にはもう人がいっぱいで入れない。とうとう、人数が多いので入場制限をする旨のアナウンスが流れる。

    よく分からないままに諦めて、次の「もぐもぐタイム」の「おらんうーたん館」に行く。オランウータンのいる檻から地上5メートル位の所にポールや綱が渡っている。
    「あそこをきっとオランウータンが渡るんだね。」と言うと、「えっ、そんな事絶対無理だよ。」と主人は言う。「あのネ。誰に向かってモノを言ってるの?
    オランウータンだよ。オランウータン。」と言っても、「無理、無理。」と言っている。

    周りに人が増えてきて「もぐもぐタイム」の始まり。飼育係のお兄さんがオランウータンのいる檻から遠く離れた所に餌を置く。すると、まず子供のオランウータンがポールを上り始める。次にその母親も続く。子供のオランウータンが一番高い所まで登って、地上5メートルに横に渡っているポールにぶら下がった。
    「うおー!」見上げて声を上げる人間達。子供よりも大人の多い動物園で、おっさんくさい低い歓声があがる。ポールを渡り始めると拍手が沸く。母親オランウータンが地上5メートルで綱にぶら下がりながら子供を乗り越えようとすると「あー、危ない!」と悲鳴が上がる。「だからね、オランウータンなんだって。」と密かに思う。「森のヒト」と呼ばれるオランウータンが高い所で空中散歩。考えてみればとても当たり前のことのような気もするが、見上げる人間達は大興奮。当たり前のことをこうやって見せてくれる動物園は今まで無かった。

    ゾウの「もぐもぐタイム」は見逃して、お昼になって、今度は人間の「もぐもぐタイム」。あいにくの霧雨で、芝生やベンチは濡れて座れず、売店でカツサンドとビールを買って売店横の休憩所でランチ。

    次はぺんぎん館。細い通路を通っていくと、ペンギンのいる水槽の中を人間が通れるようになっている。上にも下にも横にもペンギンが泳いでいる。「速い!」いつものよちよち歩きのペンギンではない。飛べないペンギンが羽を広げて、まるでジェット機のように空を飛んでいるようだ。こんなアクティブなペンギンをはじめて見る。地上ではぽっこりとした腹が、泳ぐと流線型に見える。

    「もぐもぐタイム」にはダイバーが水槽に入りペンギンに餌をやる。ダイバーの頭上にペンギンが集まり、まるでダイバーがペンギン模様の傘をさしているようだ。いつまででもペンギンを眺めていたいのに、後ろから入場者がどんどん来ていてあまり立ち止まっていられない。仕方が無いからもう一度ぺんぎん館に入場しもう一度見た。

    餌付けペンギン 空飛ぶペンギン

     次は「ほっきょくぐま館」に再度挑戦。1回目の「もぐもぐタイム」より随分前に入っておく。大水槽の前に待っていると係の人が餌を水槽の中に投げ入れる。すると、おっきな北極熊がダッブーン!と水槽に飛び込む。物凄い水しぶき。観客から「ウッワー!」と歓声が上がる。白くて長い毛が水に揺れて「きれい!」目の前の水槽を北極熊が泳ぐ。おっきな顔。おっきな足。白くて長い毛。それが目の前のガラスの前を泳ぐ。自在に泳ぐ。迫力があって美しい。

    次は「もうじゅう館」。豹の檻の下を人間が通れるようになっている。豹は風通しの良いその場所が大好きだそうで、何頭もそこに寝そべっている。下から眺めると金網から毛玉のようになった毛が出ている。手を伸ばせば触れそうだ。
    豹を下から眺めることなんて考えてもみなかった。

    下から豹

    帰りは「ととりの村」を通って帰る。猛獣やペンギンやオランウータンの美しさや、いきいきとした動きやダイナミックさに興奮したのを、鳥がいっぱいいる庭園でクールダウンして帰る。


    フラミンゴ

    旭川駅前ではもちろん旭川ラーメンを食べました。
    梅光軒 本店