• 2003.12.25

    表参道通信その47 今年の表参道界隈 ― 年末のご挨拶

    表参道通信

     先日、夜遅い時間に事務所のあるアロープラザ原宿の表門から出ると、工事中の同潤会青山アパートの塀の上に巨大なオレンジ色の光が見えました。何かと思ってもう一回見ると、それは今度は緑色の光に変わっていました。同潤会青山アパートの工事用の塀をぐるっと回って表参道に出てみると、それは表参道の反対側にあるルイ・ヴィトンのビルでした。ビル全体がオレンジや緑のクリスマスカラーに光っているのでした。

    表参道の欅並木全体にイルミネーションを飾っていた頃はそれはそれはすごい数の人が来て、表参道は車で大渋滞、上にかかっている歩道橋も人で大渋滞、近隣のレストランなどのお店は大混雑でした。中にはマナーの悪い人もいて、この界隈に住んでいる人には大迷惑なことで、それで中止になってしまったのかもしれません。毎年、イルミネーションを見ると目がうるうるする位感激していた私としてはとても残念な事でした。

    でも、イルミネーションが無くなってしまった代わりに一つ一つのショップが工夫を凝らしたイルミネーションが楽しめるようになりました。表参道は街全体におしゃれな感じが漂っているので、一つ一つのディスプレーが映えます。また、センスと工夫と費用のかけ方は日本一いや世界一かもしれません。

    グッチ、ヴィトン、シャネル、ディオール、ロエベなど、ここ1,2年で世界の有名ブランドが表参道に大型店を開いています。それほど古くないビルもあっという間に取壊され見たことのないような斬新なデザインのビルが建ち上がります。

    この街に訪れる人も随分増えました。10年位前は「浅野1号」「浅野2号」
    と名付けた自転車でこの界隈を走り回っていましたが、最近は人が多くて走れません。近道として使っていた裏原宿は特に人が多く、近道としては役に立たなくなりました。

    表参道に来る人たちは、本当に色々な人がいます。絵本やおもちゃを見に来るベビーカーを押した若いお母さん。スニーカーや古着を見に来る少年達。ウインドーショッピングをする少女達。エステサロンや美容院に来る若い女性。おしゃれなランチをしたい奥様達。テレビや雑誌の撮影に来る人たち。芸能人。デートに来る熟年カップル。企業も多いので、会社員も多いのですが、あまり背広を着ている人が目立ちません。

    欅並木が美しい表参道に有名ブランドが集積し、斬新で美しいビルが建ち並びますます人が集まり、集まった人達に向けて益々美しいディスプレーを施し、また街並みがおしゃれになる。裏では、膨大な資金が動いているはずで地価も上昇中です。東京中で、もしかしたら日本中でこういう街は他に無いかもしれません。

    それが、12月25日のクリスマスを過ぎると表参道はいきなり本来の「明治神宮の表参道」になり、日の丸の旗がなびき厳粛な新年を迎えます。日の丸の旗で飾られた欅並木を清々しい新年の風を吸いながら歩くのも気持ちの良いものです。

    本年もお世話になりましてありがとうございました。今年は11月が超多忙でしたので、恒例の事務所合同忘年会を企画出来ませんでした。関係者の方々は来年をお楽しみに。
    良いお年をお迎えください。