• 1999.05.24

    表参道通信その28 発泡酒

    表参道通信

     発泡酒というのをご存知でしょうか。酒税法によりビールは麦芽の比率が水を除く原料の66.7%以上と定められ、その税率は1リットルあたり222円。これよりも麦芽比率が低い場合は、税率が低く、25%以上だと1リットルあたり152.7円。この税額の差に目を付け、麦芽の使用比率を低く抑えながらビールと同じような味を出して低価格で売り出したのが発泡酒です。「節税ビール」と言われる事もあります。

     ビールと同じようなパッケージで、売り場も同じで、見た目も味もビールと同じようですがビールよりは安い。今はサントリーのスーパーホップス、麒麟の淡麗〈生〉、サッポロのブロイ等があります。

     ビールメーカーの目の付け所が素晴らしく、応援の気持を込めて飲んでいました。しかし、大蔵省は「消費者が低価格のものをビールとみなしているなら税率に格差があるのはおかしい」と指摘し、税率の変更をする方向に動いていました。平成7年の私の暑中見舞いではそんな発泡酒を取り上げ、暑中見舞いには珍しく、多くの反響のお電話や御意見を頂きました。

     そしてその後、実際に50%以上のものはビール並みの税率になり、サントリーはホップスをやむなく25%未満にして「スーパーホップス」にして売り出しました。

     発泡酒発売前から、楽しみにして、なおかつ、大蔵省のやり方に憤慨していたにもかかわらず、「ホップス」を愛飲していた私は「スーパーホップス」の味にはどうしても付いていけず、発泡酒から離れていた時期もありました。

     しかし、今は、麒麟淡麗です。しばらく発泡酒から離れていた私ですが、価格重視の風潮に乗って、また、我が家が酒類の消費量が多いこともあって、評判が良いらしい麒麟淡麗を恐る恐る試してみました。アサヒのスーパードライをよく飲んでいた口にはちょっとキレに欠ける気もしますが、ほとんどビールと変わりません。「たまにはビールが飲みたいネ。」と、冗談を言う事はあっても、今では我が家は麒麟淡麗です。なおかつ、ディスカウントストアーで箱買いです。

     同業他社が、『おまけを付けるビール会社と、あくまでも味に拘るビール会社とどちらが良いですか』とかなんとか、痛烈批判の広告を出していましたが、集めました。発泡酒応募券1口36枚を2口。72枚。缶の側面に付いているシールを集めて送れば全員もれなくビール券がもらえるなんて、うれしいじゃないですか。わき目もふらず集めました。麒麟さんの思うつぼです。
    箱買いする時に一番に気になるのが、その応募券が缶に付いているかどうかという始末で。

     やっと集めて、「ビール券だ!ビール4本タダでもらえる。」と浮かれている私に「そうでもないらしいよ。」とやけに冷静な夫の一言。
    「ビール券といっても、缶ビール2本券、それも350ml。」
    「えっ!?」
    応募用紙を良く見ると、本当に缶ビール2本、それもそれも「350ml」とちゃんと書いてあります。

     ビール券といえば、瓶ビール2本ではないですか。それも大瓶。それ以外のビール券がこの世に存在するなど今まで知りませんでした。それともこのイベント用の特製ビール券ですか。今時、セール用の商品を仕入れてバーゲンやるような店は無くなってきているのに。

     酒飲みの落胆と次に来る怒りは大きい。
    ずっと麒麟淡麗と決めていたけど、他社の新製品も出ている事だしこれからは他も試してみよう。

    発泡酒を取り上げたHPが在りました。税率表等は下記でどうぞ。

    http://www.tokeidai.co.jp/sapporotax/5/5_4_2.html
    http://www.yomiuri.co.jp/osaka/monosiri/ms0123.htm