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1996.07.07
表参道通信その 1 七夕 経済短観
7月7日、なんだかはっきりしない空模様で、織り姫と彦星は年に1度の逢瀬を楽しめたのでしょうか。雲の上はいつも晴、のようですから曇っていた方が誰にも邪魔されない熱いデートが楽しめたかもしれませんね。
ところで、今、表参道ではおなじみの欅並木に七夕の飾り付けがされてきれいです。この頃は毎日雨が降り続き、笹が雨にうな垂れてさびしい感じになっていますが、晴れた日は、お願い事の短冊が風にそよいで、さわさわと涼しい音がしています。
機会があれば、原宿から青山まで、歩いてみると気持ちがいいです。ちょうどこの界隈のブティックはSALEをやっていますよ。経済短観
百貨店での売り上げが伸びているから景気が上向いている、とか、マンションの成約件数が伸びているからその波及効果で景気が上向く、とか、いやいや、円安や消費税導入で物価が上がるから消費意欲に水を差して又冷え込む、とか、いろいろ言われていますが、私の経済短観を一つ。
先日、事務所で仕事をしていて終電を逃しました。表参道でタクシーを捕まえようとしたのですが、何と、3台にも乗車拒否をされてしまいました。やっと捕まえたタクシーに乗り込んで行き先を告げると、運転手は返事もしないで車を発進させました。もちろん降りるときも無言です。
もうこれは景気が上向いているとしか言いようがありません。理由その1:終電を逃すくらいまでしなければならない仕事があるなんて、久しぶりです。
理由その2:確かに、バブルのころは表参道で客を拾うタクシーなんかはいませんでした。みんな私の振り上げた手を無視して、赤坂、銀座あたりに長距離客を捕まえに行ってしまいました。しょうがなく渋谷まで歩いて深夜バスに乗ったり、都心に出てくる友人にタクシーで来てもらって、その帰りに乗るなんてこともありました。それがバブルがはじけて、つい最近までは乗車拒否をするタクシーは1台もありませんでした。それはもう競うように乗せてくれていました。多分、またタクシーに乗る客が増えてきたのでしょう。企業の引き締めはまだまだ厳しそうですから、接待というより、リストラで人員の減った分残業しているサラリーマンでしょうか。
理由その3:私の自宅は事務所から比較的近く、バブルのころは行き先を告げたとたんに「チッ!」と、言われる事もありましたが、ここ最近はあからさまに不満を表明される事もなく、かえってこちらが恐縮してしまうくらいに、ちゃんと挨拶をされるし、降りるときは「お忘れ物がございませんように」とまで、必ず言ってくれていました。それがまた、本当に久しぶりに感じの悪い運転手にあたってしまいました。私一人くらいにどう思われようが客はいくらでもいるんだぞ、という感じです。たしかに客はいくらでもいるようになってきているのでしょう。
また何かいろいろなものや、お金が動き出してきているような気がします。ただ、先日、某信託銀行の方がおっしゃっていましたが、こういう景気が上向いているときに企業の倒産が多いそうです。統計的にそういうデータがあるそうです。気をつけましょう。